ナクバから76年・沖縄「復帰」52年 5・15広大反戦集会・申し入れ書提出行動を、5月15日におこないました。
この日におこなった学長宛の申し入れ(以下)にたいして、回答期限(2024年5月31日)を過ぎても回答がありませんでした。戦争協力をやめろという申し入れに一貫して回答拒否を貫く、広島大学の戦争翼賛大学としての本性がさらに明らかになりました。絶対に許せない!
~本文~
以下、6項目について申し入れる。それぞれの要求項目について5/31までに文書で回答せよ。
【1】 太田処分阻止! 反戦学生への処分攻撃を未来永劫やめろ
私たち学生自治会の委員長である太田蒼真(総合科学部4年)に対する不当な懲戒処分攻撃が今でも続いている。この処分攻撃は自治会の闘いで半ば粉砕されているが、その本質は「反戦運動・反政府運動を闘う学生を国家権力が弾圧した場合に、大学も一緒に懲戒権を掲げ学生を弾圧する」ものだ。これは太田委員長だけにかけられた攻撃ではなく、反戦運動に立ち上がろうとする全国の学生総体への攻撃だ。
広島大学は未だに「太田に対して懲戒処分をしない」と表明していない。このことが「今起こっている戦争や戦争準備に反対したい」という意志をもつ学生の行動を阻害し、広大生15000人の手足を縛り続けている。私たちはこれを絶対に許さない。
太田委員長への懲戒処分および、反戦運動に参加したことを理由とする懲戒処分を、その検討も含め今後未来永劫しないことを、学長名義の文書で確約せよ。
【2】 パレスチナと連帯し、テルアビブ大学との交流協定を破棄せよ
イスラエルは昨年10/7以降ガザへの攻撃を繰り返し、3万5000人以上もの民衆が虐殺されている。その7割以上が子供や女性だ。この文字通りのジェノサイドを終わらせるために、今すぐイスラエルへのあらゆる支援を断ち切らなければならない。髙橋宗瑠氏(大阪女学院大大学院教授)が指摘するように、「イスラエルの経済自体が植民地政策や軍事を土台にしている」のであり、この虐殺と無関係なイスラエルの企業や大学など存在しない。
広島大学は、2015年12月からイスラエルのテルアビブ大学と「学術交流や教育交流を目的とした大学間交流協定」を結んでいる。このテルアビブ大学の「「テルアビブ大学国家安全保障研究所」が開発した軍事綱領「ダヒヤ・ドクトリン」が、イスラエル軍の軍事行動に影響を与えているとされる。そ広大との提携内容がどうであろうとも、こうした虐殺を推進する内容を扱うテルアビブ大学との交流協定を容認することはできない。
また、広島大学は短期交換留学プログラム(HUSA)の一環でUSACという大学間コンソーシアムに加盟している。USACには広大を含め23か国41大学が加盟しているが、そのなかのひとつがイスラエルのハイファ大学である。ハイファ大学に対しても、USACからの排除などの形で圧力をかけよ。
これらは、単にイスラエルとの提携撤回にとどまらず、パレスチナの人々と連帯し、ガザ虐殺を止めるべく、アメリカはじめ全世界、イスラエル国内でも自国の虐殺加担と闘うすべての人々との連帯を示し、さらなる虐殺を止めるための行動を世界に呼びかけるものである。
【3】 呉の海上自衛隊「新拠点」建設に関与するな
いま呉では沖縄に次いで戦争の拠点化が進んでいる。海自呉基地には、今年末予定とされる陸海空が連携した「海上輸送群」司令部設置が進められている。これは中国侵略戦争の遂行のための南西諸島への迅速な部隊や弾薬・装備の輸送を任務とする部隊である。そして、3/11には防衛省は、呉の海上自衛隊基地南側の日本製鉄株式会社(日鉄)の製鉄所跡地に「多機能な複合防衛拠点」建設の意向を発表。この「新拠点」は、兵器や弾薬の製造・備蓄・修繕など幅広く担うものとされる。呉からから南西諸島へ継続的に部隊・弾薬・装備を送り続け、戦争を実際に継続的に可能にすることが狙われているのだ。こうした部隊設置・拠点建設を絶対に許してはならない。すでにこの「新拠点」建設は、呉市民からも「軍都廣島の復活」として受け止められ、反対集会なども開かれている。
広島大学は、こうした具体的な戦争策動に対して反対することなく、昨年3/17に呉市内にある海上保安大学校と包括協定を締結し、昨年7/8には呉市・海上保安大学校・笹川平和財団と共に4者で連携協定を結び、今年1/31にこの4者を発起人として「Town「&「Gown構想 海洋文化都市くれ推進協議会」を設立した。その目的は「呉市におけるアジアの海洋・海事の国際的拠点の形成と地域社会の活性化」とされている。これは林官房長官が記者会見で日鉄跡地への新拠点建設について、「地元経済の活性化にも貢献することができる」と言っていることと重なる。このもとでこうした連携が深々とした戦争協力へ発展することは明らかだ。海上保安大学校との包括連携であり、上記4者の連携協定を破棄せよ。そして、呉の「新拠点」建設への広島大学の関与を絶対に許さない。
【4】 5/17の松井市長による特別授業を中止せよ
あさって5/17に新入生向けの特別授業「世界に羽ばたく。教養の力」の今年度第10回として、広島市の松井一實市長が広島大学に来て講演することが予定されている。絶対に許すことはできない!
松井はG7サミット以来のこの1年間で、戦争を推進・賛美し反対者を黙らせる戦争屋としての本性を急速にあらわにした。松井の罪状をまとめると次の3つである。
①反戦運動弾圧の下手人
昨年の8・6ヒロシマ大行動の参加者5人に対して、「市の職員に集団で暴行した」という容疑がでっちあげられ2/28に不当逮捕、3/19に起訴が強行された。反戦運動への政治弾圧そのものだ。それも、適用された「暴力行為等処罰ニ関スル法律」は集団で行動すること自体を禁圧するものだ。
松井は昨年9月の産経の取材に上記集会を妨害した右翼・日本会議の「けが」を理由に、「結果責任を問う。こうした団体が原爆ドーム前に集まることがないよう適正に判断」「県警とも連携しながら検討」と集会禁圧を検討してきた。そのもとで案件を変更して市職員を動員し、今回の事件をでっち上げたのだ。
さらにこのもとで松井は5/7に、今年の8/6の式典時間中には、原爆ドームを含めた平和公園全域を封鎖・立ち入り制限し、集会や表現行為を全面禁止する方針を発表。拡声器やプラカード・のぼりの持ち込み禁止、手荷物検査の実施など文字通り集会の禁圧である。8/6に広島で、日米同盟のもと、拡大抑止=日本への核配備まで推し進める岸田の前で核・戦争に反対することを禁圧するというのだ。
②今年の平和記念式典へのイスラエル政府代表の招待
4/24、松井は記者会見で「今年の8/6の平和記念式典にイスラエル政府代表を招待する」と発表した。去年の10/7にイスラエルがパレスチナへの極限的な虐殺を始めて以来、初めての記念式典になる。
虐殺を進めるイスラエルや、核保有を正当化したG7、核戦争・世界戦争を進める岸田や米大使を前にして、批判しようともせず招き入れる式典に、どうして平和を語る資格があるだろうか?
10/7以降イスラエルの閣僚やアメリカの複数の国会議員などは次々と「ガザ地区に原爆を落としてしまえばいい」という内容の発言を公にしている。このもとでイスラエルや米大使を招き入れることは、核投下にゴーサインを出すに等しい。松井はこうした核戦争推進者として断罪されるべき人物だ。
③新人職員研修での教育勅語の肯定的引用
教育勅語は、戦前・戦中多くの子どもたちに「国家・天皇のために死ね」と教え込み、戦場に送り込んでアジア人民への虐殺を行わせてきた絶対に容認できないものである。
松井はこの教育勅語を、市長就任翌年の2012年以降、毎年市の新人職員研修で引用し「評価すべき部分もある」などと肯定的に紹介し、批判を受けても今年4月の研修で引き続き引用した。今回の公演でも教育勅語が用いられる恐れがある。この一点だけでも絶対に新入生の前で講演することは許されない。
上記の理由から、5/17の松井講演を中止せよ。広島大学として、8「・6弾圧と集会禁止、記念式典へのイスラエルの招待、教育勅語の肯定的使用について反対の立場を表明し、松井に対して撤回を求めよ。
【5】 経営協議会廃止!3戦犯を追放せよ
以上で批判してきたような様々な戦争協力を広大が行う原因は、ひとえに日本帝国主義・岸田政権が米帝と共に中国への侵略戦争―世界戦争に突進し、全社会に対する戦争動員攻撃を強めているからだ。
これは国立大学においては、2004年の国立大学法人化による大学組織全体の大改悪、特にその中でも経営協議会の新設によって進められてきた。経営協議会体制のもと、全国大学で学費値上げや研究予算の削減、教員の多忙化が進められ、そこから戦争屋さえ大学に入り込み、2015年以降、防衛省が大学に直接資金を投下する「安全保障技術研究推進制度」、すなわち軍事研究の解禁まで開始された。
私たち学生自治会は、この経営協議会制度の廃止を求めるとともに、以下3名の経営協議会学外委員を大学の戦争協力を推進する戦争屋として大学から追放するように求める。
①佃和夫(つくだかずお)
日本最大の兵器会社、三菱重工業の名誉顧問で元社長・元会長。三菱重工業は、アメリカの兵器会社のライセンスのもとで地対空ミサイル「パトリオット」を製造。殺傷能力のある武器の輸出解禁で、真っ先に米へ輸出。日英伊3か国共同開発の次世代戦闘機も三菱重工業が担当。原発輸出企業でもある。
②白石隆(しらいしたかし)
国際政治学者。2015年に安保法制審議過程で国会に意見書を提出した安保法制賛成派「安全保障法制を考える有志の会」の先頭に立って世話人を務めたのが白石隆。意見書は「日本の独立と自由を守る」ために「自衛隊員が冒さざるをえないリスクをどこまで許容できるか」を議論すべきだ、などと主張している。政府の「経済安全保障に関する産業・技術基盤強化のための有識者会議」のメンバーでもある。
③苅田知英(かりたともひで)
中国電力の特別顧問で元社長。中国電力は島根原発再稼働や山口県上関町への原発新設、同町への中間貯蔵施設建設を狙っている。これは核兵器の原料の貯蓄と同義である。中国経済クラブの理事長。
【6】 すべての権力を学生と学生自治会へ!越智学長は辞任せよ
これまでも私たちは大学に対し、繰り返し様々な改善要求を行ってきた。しかし、大学側は社会的に集めてきた署名にも返答もせず、処分策動をはじめとする上記各項目で示してきた一方的な対応であり、戦争加担でもってこれに回答してきた。この間は、各部署の職員に対応を何重にも丸投げし、自らの責任から逃げ回っている。戦争に直接関わる問題だけでなく、サークル棟の入館規制や、法学部移転反対、学費の免除など、これまで要求してきたあらゆる項目について、これは貫かれている態度である。
ここから明らかなことは、越智学長体制はいかなる学生の意見に対しても、自らの政策を説明して納得させる意思もなく、その能力もないということだ。学生・教職員の支持に支えられていない体制が可能なのは、越智体制が岸田政権や経営協議会学外委員の戦争屋どもに支えられているからに他ならない。こうした戦争屋どもの利益に従い、学生・教職員を徹底的に貶める越智学長体制は即刻打倒されなければならない。
ひとえにこうした状態が許されるのは、学生に権力がないことにのみ依拠している。学生に権力があればこうした状態は一日たりとも容認されないであろう。このことを覆い隠すためにこそ、学生自治会に対する悪宣伝が繰り返され、太田委員長への処分が策動されている。
大学に関するすべての権力を学生と学生自治会に明け渡せ。越智学長は辞任せよ。
以上
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